南門を出てからそろそろ二刻を過ぎようとしていた。陽は中天を過ぎ、春とはいえ汗ばむほどの陽気だった。嬢さんの傷に障らなければいいが。李逵の心配はそのことにあった。早く九天玄女のところに行って、あの男の手当てを受けさせたかった。三・四度しか会ってはいないが、腕は確かだと李逵は思っている。九天玄女の話では、太医局を出た正式な医師ではないが、
いや、自分を超える武の達者だと感じていた。その男の名は知らない。ただ、九天玄女はその男を
南門を出てからそろそろ二刻を過ぎようとしていた。陽は中天を過ぎ、春とはいえ汗ばむほどの陽気だった。嬢さんの傷に障らなければいいが。李逵の心配はそのことにあった。早く九天玄女のところに行って、あの男の手当てを受けさせたかった。三・四度しか会ってはいないが、腕は確かだと李逵は思っている。九天玄女の話では、太医局を出た正式な医師ではないが、
いや、自分を超える武の達者だと感じていた。その男の名は知らない。ただ、九天玄女はその男を