平真は、一目見た時から男を気に入らなかった。宰相直属の手の者だという。そういう者達がいることは、杜愔から聞いて知っていた。しかし、どうしても嫌いなものは仕方がなかった。その男が、今杜愔に命令していた。腹立たしかった。宰相直属ということが、経略安撫使に命令できるほど偉いのか。そう言って叩き出してやりたかった。
「攻めるのを待てと」
「天候が崩れるまでだ」
杜愔の言葉に、男が答えた。異様に
平真は、一目見た時から男を気に入らなかった。宰相直属の手の者だという。そういう者達がいることは、杜愔から聞いて知っていた。しかし、どうしても嫌いなものは仕方がなかった。その男が、今杜愔に命令していた。腹立たしかった。宰相直属ということが、経略安撫使に命令できるほど偉いのか。そう言って叩き出してやりたかった。
「攻めるのを待てと」
「天候が崩れるまでだ」
杜愔の言葉に、男が答えた。異様に