四人が城壁を越えたのを確認した。杜遷が楊佸を見た。
「うまく脱出した。俺達も逃げよう」
「そう簡単に逃がしてくれそうにない」
楊佸が斧を振りながら答えた。
さきほどの廂軍とは、比べ物にならないほど訓練された兵だった。もっともここ河東路は、遼との国境が北にあり、中央や南の路とは異なり、廂軍も軍事訓練を受けている。
「駄目かな」
杜遷が自信なげに呟いた。
「侠の皆も疲れている」
確かに動きが悪くなっている。倒れたまま動かない者も、六人ほどになっていた。心は痛んだが、後悔はしていなかった。
「皆、